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All Material is sourced from UPHYCA

Himehiko no Otome | ひめひこのお泊め

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この行は『奔放の巫女』が協力し、UPHYCAの三組の『ひめひこ』のうちの一組である『にしのひめひこ』をそれぞれの巫女の家に招き、一暦の間共に過ごすというものである。

自分が『お泊め番』になったら、前の巫女から手ほどきを受ける。

依代の作り方、日々のお世話の方法、『けもの』の使い方などである。

この手ほどきは、暦が巡ったら自分が次の巫女に授けることになるから、しっかりと聞いておくこと。

共同体のなかで神聖な存在を共有し廻らせるという風習は現代ではホスティングエンジェルが近いと思うが、古くは庚申講の掛け軸や円空仏の扱いに見ることができる。特に円空仏は、冬は子供たちにソリにされ、夏は川で浮き輪がわりに遊び相手として扱われていたという。村に床に伏せるものがあればその枕元に泊まることもあったという。これは想像でしかないが、縄文土偶も病や出産のおりには人々の枕元に泊まることもあったかもしれない。

UPHYCAの三組の『ひめひこ』のうちに『ねのもとはは』と『たまわりみこ』の対が居る。

この『たまわりみこ』の御神体は『蠱惑の巫女』の家々を一年づつ巡っている。

『ひめひこお泊め』を恙無くこなすことは、『蠱惑の巫女』になるための一つの試練でもある。

『蠱惑の巫女』になることを望まずとも、お泊め番として産まれたての大地の『ひめひこ』を家に招き共に過ごす体験は、巫女にとって価値あるものになるはずだ。

2018年から始まったこの行は、回を重ねるうちにいくつかのジンクスをうんだ。

これについては前の巫女から聞くことができるかもしれない。

原則としてこの行は『奔放の巫女』のためのものとするが、どうしても難しい場合は『蠱惑の巫女』がお泊め番を担うこともある。

お泊め番の巫女が、はざま講、ひあそび講、大祭に参列する場合は必ず『にしのひめひこ』を依代と共にお連れすること。

お泊め番の巫女は、ひめひこの依代、空のお椀、ひのうつわ、かがみを持参すること。

お椀に講を行う場所のすなを入れ(難しい場合は米や塩。自身の砂は用いないこと)ひのうつわに重ねて『かがみ』の中央に置き、集いの中心とすること。

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大祭に参列するお泊め番の巫女

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『にしのひめひこ』の座る様子。お椀の下には巫女の『かがみ』が敷かれている。赤い身はこの土地に生えていたもので『いのこもぐり』のひめひこの座でもある。

【迎える巫女の手順】

送る巫女から連絡が来たら、無理のない予定をたてて、紙で『ひめひこ』を作っておく。

手頃なお椀を用意する。日常的に使っているお味噌汁椀でもよい。お椀に、巫女のゆかりのしろから砂を取り分け、そこに割り箸で挟んだ紙の『ひめひこ』を刺し立てる。

この依代を、ゆかりのしろのひのうつわの上に重ねる。

予定していた水曜日が来たら、拝火のときに自分のけものを呼び出す。そして送る巫女のけものの特徴を伝え、『ひめひこさま』をお迎えするよう言い含めておく。

寝る前にひめとひこのためにひとつづつの空のコップ、晩御飯の一口と水を供物としておいておく。

翌朝水の器に朝一番の水を注ぎ、『ひめひこさま』に振る舞い、『ひめひこ講』のしぐさをする。その後は暦のめぐるまで『ひめひこ』と共に過ごし、頃合いをみて次の巫女を探して話し合い、送る期日を決めやり取りをする。

【送る巫女の手順】

迎える巫女が決まったら、送る日の水曜までの間に、『ひめひこさま』に次の巫女について話をしておく。なんという名前の、どこに住んでいる巫女で、どんな巫女なのか。

送る水曜が来たら、蝋燭に火を灯し、自分の獣を呼び出してその背中にひめひこをお乗せする。泊まりに来てくれたことの感謝を伝え、なにか願い事などしたのであれば、どうか何卒と伝え。獣には、迎える巫女の獣の特徴を伝えて送り出す。

拝火が終わったら、紙の『ひめひこ』を外し、

外したひめひこは小さくたたんで、綺麗な紙に包んでお守りにする。

お椀に移していた砂を戻してもとのゆかりのしろに整えたら、折り紙や半紙などを燃やし、自身のひのうつわに火を入れ、にしのひめひこへ祈りを捧げる。

全て終わったら、お泊めしていた間の記録を台帳に書き込む。

お泊め番の期間はひのうつわに火を灯すことが出来ないため、蝋燭に火を灯し、ひめひこと共に拝火をおこなうこと。

【ひめひこの作り方】

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長方形の赤青の紙を用意

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上に向けて半分に折り

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左に半分に

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右側輪のそばに、下から切目を入れる。 上は指一本分ほど残す。

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下に向けて開き、上側に斜めに切り込みを入れる。

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開いたところ

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開いたところ

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頭の切り込みを残して下に向けて折る

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右に向けて折る

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縦に交互に切り目を入れる。回数は紙のサイズに合わせて適宜。最後に上の輪を全て切り離す

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完成。

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あるお泊め番巫女の家にくつろぐ『にしのひめひこ』(旧式のまつりかた)果物と水、香の捧げ物が見える。

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